本書はいわゆる「在り方」や「考え方」がテーマであり、ストレスに対するマインドセットを変えるきっかけになる内容となっています。
また、私自身、カスタマーサポートという仕事柄、ストレス環境にさらされる機会が多いため、とても興味深く拝読しました。
ストレスの考え方
「ストレス」というもの自体には実態はなく、誰の目にも見えません。
「ストレスを感じる」というくらいだから、やはり脳や体の中でなにか変化が起きているのだというくらいに考えていました。
では、ストレスとは一体なにか。
本書では、ストレスを「自分にとって大切なものが脅かされた時に生じるもの」として定義しています。
ストレス反応のメカニズム
それぞれ異なる働きがあり、たとえばコルチゾールは糖代謝や脂質代謝を助け、体と脳がエネルギーを使いやすい状態にします。
また、消化や生殖や成長など、ストレス時にはあまり重要でない生物的機能を抑える働きがあります。
一方、DHEAは神経ステロイドのひとつで、脳の成長を助ける男性ホルモン。
ストレスの経験を通じて脳が成長するのを助け、コルチゾールの作用を抑制し、創傷の治癒を早め、免疫機能を高めるなどの働きがあります。
これらのホルモンは、どちらも体に必要なホルモンであり、それ自体は良くも悪くもありません。
どちらが多いかによって、長期的なストレスの場合、とくに慢性的なストレスの場合には影響が出てくると言われています。
コルチゾールの割合が高くなると、免疫機能の低下やうつ病などの症状が表れる可能性があり、DHEAの悪いが高くなると、不安症、うつ病、心臓病、神経変性などストレスに関連するさまざまな病気のリスクが低下する傾向が見られます。
つまり、ストレス反応時に、DHAEの割合が高ければ高いほど、「ストレスに負けずにがんばれる!」といった具合です。
ストレスには役に立つ点もあると考えること
しかし、実際には、ストレスは健康に悪いと思い込んでいたせいで、寿命よりも早く亡くなった人の数は皮膚ガンや、エイズ、殺人による死亡者数をも上回り、全米の死因トップ15位に相当するといった研究結果も出ており、今までの考え方が覆されているのです。
ストレスを感じてもなるべくポジティブな考え方をするための3ステップ
そこで、下記3つのステップを実践することでマインドセットを変えることができると言います。
ステップ1:ストレスを感じたら、まずそれを認識する。受け止め、体にどんな反応が表れているかに注意する。
ステップ3:ストレスを感じた時に生じる力を、ストレスを管理しようとして無駄にせず、利用する。目標や価値観にあったことにエネルギーを使うにはどうすればよいか、考えてみる。
ストレス反応の種類と効果
このチャレンジ反応が上手く作用することで、「困難にうまく対処する」、「人とのつながりを強める」、「学び成長する」という大きく3つの効果が得られるのです。
このチャレンジ反応を起こすためには、「自分の強みを認識すること」がもっとも効果的であり、練習の積み重ねや事前準備、これまでの経験を考えたり、大切な人を思ったりすることが重要となる。
ベネフィットファインディングという考え方
「ストレスは害になるが、ならない場合もある」というマインドセットが大きなストレスを受けた時にチャレンジ反応を起こし、レジリエンス(精神的回復)を促すトリガーとなるのです。
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